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update:2020.11.11

秘すれば花

この言葉、仕事をしているうえでたびたび思い出す言葉です。

 

つつましやかな女性に例えたりもされますが、本当の意味は違います。

 

正式には「秘すれば花なり」。

これは能楽から来ている言葉で、観客に思いも寄らぬ感動を与えることを

「花」として表現しているようです。

 

ここでいうところの「花」とは一世一代の見せ所のようなものでしょうか。

 

言うなれば、花は常にそこにあるものではなく、その時、その場所、またそれを見る人にここぞという瞬間で見せるために、

秘めておくべきものという考え方です。

これ、広告表現にも当てはまりますよね。

「一番表現したいものをストレートに表現するな」と解釈して常に自分を戒めています。

広告表現でも、よく恋愛にたとえて

相手に好きと伝えるには、いつ・どこで・どのタイミングで伝えるか?が大切。

などと比喩されることもありますが、

秘めておくからこそ、伝えたいことなどが、大事な場面で驚きや感動などと共に心に届くんだと思います。

 

ブランディングなどでもそういった側面を感じます。

「正しいこと」「強み」「内容」などの相手にもたらすであろう価値を

正しい情報としていくら伝えても実際にはなかなか伝わらないことが多いです。

 

よく会話の中でも、正論をストレートに伝えたところでかえって反感を買ってしまったりなど誰でも経験があるんじゃないでしょうか?

伝え方や表現がやっぱり大事なんですよね。

 

それもストレートに表現するのではなく、「飛躍」をもって表現することがとても大事だと思います。

これ、言うは易くなんですが。。

 

この「飛躍」という点がなかなか難しいです。

例えば、

 

●理路整然とした道筋や組み立てを論理的に表現しました!

これって多くの人が納得出来やすい100点の回答ですが、意外と面白くないんですよね。

面白くないということは、実際の共感が得にくいということにもつながります。

では、飛躍するには何が必要なんでしょうか。

例えば、

 

●見るひとが受けとるひとが、つっこむ要素があるか?

みたいなイメージでしょうか。

これ大事だと思うんですよね。

 

あえて100点満点じゃなくて

あれ?これって?なんで?

みたいな感情って行動へ移すための最初のアクションへつなげる

ひっかかりだと思います。

ただ、つっこむところが満載だとダメですけどね。

 

ふつうに考えたら100点出すことだってすごく難しいんですが

広告ってすこしひねくれた考えぐらいで丁度よかったりするんです。

 

隠せ!素直に出すな!100点出すな!

 

というお話でした。

では、ごきげんよう。

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イマジンブランディングアンドデザイン−
CREATIVE DIRECTOR  霜方 和弘

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